
卸電力市場(JEPX:日本卸電力取引所)は、電気そのもの(kWh)を30分単位で売買する市場です。蓄電池は「価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電して売る」アービトラージ(裁定取引)で収益を得ます。太陽光の普及で昼間の価格が下がり、朝夕との価格差が拡大していることが、蓄電池の収益機会を生んでいます。
晴れた日の昼間は太陽光の発電が集中し、スポット価格が大きく下がります(時に最低価格の0.01円/kWhまで)。一方、太陽光が止まる夕方〜夜は火力発電が需要を支えるため価格が上がります。この「昼安・夕高」のダックカーブが、蓄電池が電気を時間移動させる価値の源泉です。
また、市場価格が急騰する「価格スパイク」時に放電できると大きな収益になります。年数回のスパイクをどれだけ捉えられるかも運用力の差が出るポイントです。
同じ蓄電池でも、時間帯ごとに「需給調整市場に容量を提供する」「卸市場でアービトラージする」を切り替える運用が可能です。市場環境に応じて収益源を柔軟に切り替えられることが、蓄電池投資の下支えになります。
収益シミュレーションを見るときは、卸市場収益が「何円の価格差×何サイクル」を前提にしているかを確認しましょう。
現状は需給調整市場・容量市場と組み合わせるのが一般的です。ただし市場環境の変化で卸市場の比重が高まる可能性もあり、切り替え運用ができる体制が望ましいです。
劣化します。一般に年1〜2%程度の容量劣化を見込み、シミュレーションに織り込みます。サイクル寿命とメーカー保証(容量保証)の確認が重要です。
頻度・規模は年により大きく異なるため、スパイク収益を保守シナリオに織り込むべきではありません。上振れ要因として捉えるのが健全です。