用語集

蓄電池投資の用語集(土地ID・接続枠・需給調整市場など)

更新日:2026年9月12日執筆:濱本藍里/監修:瀬尾賢一

結論 蓄電所物件とは接続枠と用地を確保して流通している系統用蓄電池の案件、土地IDとは土地と接続枠をひとまとめにしたGRIDBANKの呼び名です。このページでは需給調整市場、ΔkW、約定率、容量市場など25の用語を定義しています。

蓄電池投資の資料や物件情報に出てくる言葉を、投資家が判断に使える形で定義しています。

各用語は1文目が定義、2文目以降が補足です。ページ内の用語は投資ガイドの各記事からもリンクしています。

系統用蓄電池(蓄電所)
電力系統(送配電網)に直接接続し、電気の売買や調整力の提供を行う蓄電池設備です。太陽光発電に併設する蓄電池と違い、単独で電力市場に参加します。
蓄電所物件
接続枠と用地を確保し、売買の対象として流通している系統用蓄電池の案件です。GRIDBANKでは接続枠確保済みの案件のみを蓄電所物件として掲載します。
土地ID
蓄電所を建てるための土地と、その土地に紐づく接続枠(電力会社への接続申込の権利)をひとまとめにしたGRIDBANKの呼び名です。設備の建設前の段階で売買されます。
接続枠
一般送配電事業者に対して系統への接続を申し込み、接続検討の回答を経て確保した接続の権利です。蓄電所物件の価値を決める最大の要素です。
接続検討
電力会社に対して、その場所で何kWの設備を系統に接続できるか、工事費負担金はいくらか、いつ連系できるかを検討してもらう手続きです。回答書が出ると接続の条件が確定します。
工事費負担金
系統に接続するために電力会社側で必要になる工事の費用のうち、接続する事業者が負担する金額です。数百万円から数千万円まで場所によって大きく異なります。
保証金支払済・工事負担金支払済
接続枠の進捗を示す言葉です。保証金支払済は接続申込の保証金を納めた段階、工事負担金支払済は電力会社の工事費用を納めて枠がほぼ確定した段階を指します。
需給調整市場
電力の需要と供給のズレを埋める調整力(ΔkW)を、一般送配電事業者が調達する市場です。系統用蓄電池の主力収益源で、2026年3月から前日・30分単位の取引になりました。
ΔkW(デルタキロワット)
需給調整市場で取引される調整力の単位です。指令に応じて出力を増減できる能力を表し、対価は円/ΔkW・30分で表されます。
一次調整力・二次調整力・三次調整力
需給調整市場の商品区分です。一次は秒単位で自動応答する最も速い調整力、二次と三次は指令に応じて分単位で応答します。蓄電池は応答が速い一次調整力に向いています。
約定率
需給調整市場に入札した容量のうち、実際に落札された割合です。募集量とエリアで変わり、収益シミュレーションでは80〜90%が保守的な目安です。
上限価格
需給調整市場で入札できる価格の天井です。一次調整力・二次①・複合商品は2026年9月1日から10円/ΔkW・30分です。実際の収益は上限ではなく約定単価で決まります。
容量市場
4年後の1年間の供給力(kW)をオークションで取引する市場です。落札すると容量確保契約金額(円/kW・年)が支払われ、市場価格の変動に左右されにくい収入になります。
長期脱炭素電源オークション
脱炭素電源への新規投資を促すため、20年間の固定収入を約束する容量市場の一種です。蓄電池も対象で、大型案件の収益基盤として使われます。
卸電力市場(JEPX)
日本卸電力取引所が運営する、電気そのもの(kWh)を30分単位で売買する市場です。蓄電池は安い時間帯に充電し高い時間帯に放電する価格差(アービトラージ)で収益を得ます。
アグリゲーター
複数の蓄電池や発電設備をまとめて市場で取引する事業者です。系統用蓄電池のオーナーは、入札と運用をアグリゲーターに委託するのが一般的です。
高圧・特別高圧・低圧
系統に接続する電圧の区分です。低圧は50kW未満、高圧は50kW以上2,000kW未満、特別高圧は2,000kW以上が目安で、手続き・費用・収益構造が異なります。
PCS(パワーコンディショナ)
蓄電池の直流と系統の交流を変換する装置です。PCSの出力(kW)が需給調整市場に入札できる容量の上限を決めます。
EMS(エネルギーマネジメントシステム)
蓄電池の充放電を市場の価格や指令に合わせて制御するシステムです。アグリゲーターの指示を受けて運転します。
キュービクル(受変電設備)
高圧で受電するための変圧器や遮断器を収めた金属製の箱です。高圧案件では必須で、低圧案件では不要です。
O&M(運用・保守)
蓄電所の日常監視、点検、故障対応を行う業務です。専門のO&M事業者に委託するのが一般的で、費用は運転費用に含めて収益計算します。
劣化率
蓄電池の容量が1年でどれだけ減るかの割合です。一般に年1〜2%を見込み、シミュレーションでは蓄電容量に毎年掛けて計算します。
サイクル
蓄電池を満充電から放電しきるまでを1回と数える単位です。1日のサイクル数が多いほど卸市場の収益は増えますが、劣化も進みます。
表面利回りと実質利回り
表面利回りは年間収入を取得価格で割った値、実質利回りは運転費用を差し引いた純収益を取得価格で割った値です。物件資料ではどちらの数字かを必ず確認します。
接続承諾(連系承諾)
電力会社が接続の条件を最終的に承諾した状態です。接続承諾予定日はGRIDBANKの土地ID一覧で公開しています。

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