
需給調整市場とは、電力の需要と供給のズレ(周波数の乱れ)を埋めるための「調整力(ΔkW)」を、送配電事業者が調達する市場です。秒〜分単位で充放電を切り替えられる蓄電池は調整力の提供に適しており、系統用蓄電池の主力収益源となっています。
電気は貯めにくく、需要と供給は常に一致させる必要があります。ズレると周波数が乱れ、最悪の場合は停電に至ります。太陽光・風力の導入が進むほど供給側の変動は大きくなり、そのズレを埋める「調整力」の必要性が高まっています。
各エリアの送配電事業者は、この調整力を需給調整市場を通じて調達します。蓄電池は「待機していること」自体に対価(ΔkW価格)が支払われるのが特徴で、実際に充放電した電力量(kWh)への対価と二段構えの収益になります。
| 商品 | 応動時間の目安 | 蓄電池との相性 |
|---|---|---|
| 一次調整力 | 10秒以内に応動 | ◎ 最も適性が高い主力商品 |
| 二次調整力①② | 5分以内 | ○ |
| 三次調整力①② | 15分〜45分 | ○ |
応動が速い商品ほど提供できる電源が限られるため、単価は高くなる傾向があります。ミリ秒単位で応答できる蓄電池は、火力発電などでは難しい一次調整力での価値提供に強みがあります。
需給調整市場の収益は、おおまかに次の式で決まります。
ここで重要なのが約定率(入札がどれだけ落札されるか)と単価の前提です。収益シミュレーションを見るときは、「単価がいくらで」「約定率を何%で」「単価の下落を年何%で」見込んでいるかを必ず確認してください。この前提が甘いシミュレーションは、実際の収益と大きく乖離します。
需給調整市場の単価は、参加する蓄電池が増えるほど競争で下落する構造にあります。実際、市場開設以降、商品によっては単価の下落傾向が見られます。一方で、国が上限価格を設定するなど、制度面の調整も行われています(2026年時点)。
GRIDBANKの物件資料では、複数シナリオ(保守・標準・強気)の収益シミュレーションを前提条件つきで開示しています。
市場参加には要件があり、通常はアグリゲーター(要件を満たす事業者)を通じて参加します。物件オーナーが直接入札作業を行う必要はありません。
将来単価は誰にも断定できません。重要なのは、シミュレーションが単価下落を織り込んでいるか(年率何%か)、下振れシナリオでも投資が成立するかの確認です。
はい。落札した容量(ΔkW)に対して待機の対価が支払われ、実際に充放電した場合は電力量への対価が加わる二段構えです。